今まで知らなかった本や、ユニークな出版社との出合いを楽しめる本のイベント「BOOK MEETS FUKUOKA ~本のもりのなかへ~」が福岡PARCOで開催されるというので訪れてみました。会場に足を踏み入れると、いつも行く本屋やインターネット上ではなかなかない本との出合いに心が躍る空間でした。作家や本好き著名人のおすすめの一冊なども展開されていたので、ひとつずつ目を通していると時間が足りませんでした。
「BOOK MEETS FUKUOKA ~本のもりのなかへ~」に行けなかった人が少しでも雰囲気を楽しめるように、イベントをレポートします。
・BOOK MEETS FUKUOKAのイベント概要
・BOOK MEETS FUKUOKA会場の雰囲気
・新しい本との出合い方
この記事を書いた人

sui
フリーライター
・年間100冊以上を読む読書好き
・出版・書店関連勤務13年以上
・旅先は国内27都府県、海外20か国以上
BOOK MEETS FUKUOKAとは、新しい本との出合いを楽しめるイベント

「BOOK MEETS FUKUOKA ~本のもりのなかへ。~」は、福岡PARCO(本館5階 PARCO FACTORY)で、2024年10月25日から11月10日まで開催された本のイベントです。全国の個性豊かな小出版社と福岡県内の独立系書店が出店しました。
普段なかなか目にすることがない小さな出版社の本や、足を運ぶ機会の少ない福岡各地の独立系書店の選書に出合えるまたとない機会です。新刊だけかと思いきや小さなスペースですが古本も販売されていましたし、作家・くどうれいんさんのトークイベントも開催されたようです。
BOOK MEETS FUKUOKAの開催場所・期間

| 名称 | BOOK MEETS FUKUOKA ~本のもりのなかへ。~ |
| 期間 | 2024年10月25日(金)~11月10日(日) |
| 時間 | 10:00~20:30 ※最終日は18:00閉場 |
| 会場 | 福岡PARCO本館5階 PARCO FACTORY(福岡県福岡市中央区天神2丁目11−1) |
| 入場 | 無料 |
| 出版社 | NEUTRAL COLORS、えほんやるすばんばんするかいしゃ、BlueSheep、ミシマ社、ブートレグ、アノニマ・スタジオ、学芸出版社、クオン、ビーナイス、D&DEPARTMENT、タバブックス、赤々舎、青幻舎、書肆侃侃房、忘羊社、古小烏舎、rn press、生きのびるブックス、1.3h、ELVIS PRESS、小瀬古文庫、夕書房、torch press、DOOKS、土曜社、PINHOLE BOOKS、クルミド出版、他 |
| 書店 | ブックスキューブリック、ナツメ書店、本灯社、カウンターVol.3、本のあるところajiro、徘徊堂 |
| URL | BOOK MEETS FUKUOKA ~本のもりのなかへ。~ |
知らない出版社も多かったので一社ずつ検索してみましたが、美術展の企画も手掛ける出版社、人気のショップやカフェを営む企業の出版部門、韓国専門の出版社など本当に個性豊かでした。自分の好みの出版社が見つかりそうですね。
実際に行ってみたら会場がかわいかった

実際に会場に到着すると、なかに入る前からちょっとわくわくしました。それは美術展に来たのかなと錯覚を覚える、会場のデザイン、雰囲気だったからです。本屋は落ち着きのある静かな空間が多いですが、本のある場所なのに賑やか。雨の降る平日に訪れましたにもかかわらず、足を運んできた人が展示や本を楽しんでいたようです。本のある空間が賑わっていると嬉しくなります。
イベントのイラストを描かれたのはイラストレーターの日高あゆみさん。ペン画で動物たちを描き出す作風が特徴で、その絵には繊細さと力強さ、そしてあたたかみがあります。今回のイベント会場には彼女の世界観が随所に散りばめられていました。
本好きの達人の「激オシ本」コーナーから動けない

このイベントで私が一番面白かったのは本好きの達人の「激オシ本」でした。作家の角田光代さん、白石一文さん、中島京子さん、歌人の松村由利子さん、YAMAP社長・春山慶彦さん、建築家の松岡恭子さん、教育者で作家の鳥羽和久さんなど、各分野で活躍する著名人によるのおすすめ本は興味深いものでした。
知っている方が紹介していると自然とその本に興味が湧き、自分の好きな本を紹介している人を見つけると、「どんな人なんだろう」とその人自身にも関心が広がっていきます。
私が気になったのは三砂慶明さんが紹介されていた『プリズン・ブック・クラブ コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』などでした。紹介されていた本の一覧リストがほしいくらいです。
新しい本との出合うには

文化庁が行った令和5年度「国語に関する世論調査」によると、16歳以上の62.6%が、1カ月に1冊も本を読んでいないという結果が出ています。つまり6割の大人が1カ月に読む本は0冊ということですね。それまでと調査方法が変わったそうなのでその影響もありそうですが、平成30年度は47.3%だったのに対して大幅に増えています。
日本で一日に出版される本の数は200冊と言われており、ZINEやリトルプレスなどを含めるともっとその数は増えそうです。たくさんの本が生まれているので、一人でも多くの人の目に留まってほしいと思いますが、情報収集し実際に手に取ってみるのはなかなか難しいのかもしれません。
今、本との出合いにも偶然や人からの紹介が大きな役割を果たしているように感じます。SNSでたまたま見かけた誰かの感想、書店員さんの手書きポップ、友だちが貸してくれた一冊。そうした個人的で温度のあるやりとりが、読書のきっかけになることも多いのではないでしょうか。
そう考えると、「BOOK MEETS FUKUOKA ~本のもりのなかへ~」のように、誰かの言葉を見聞きし、実際に手にとって本を選べるイベントは貴重な場です。普段なら出合えない本や出版社の存在を知ることができるし、自分の「好き」の外側にある本に、心を動かされる瞬間もあるかもしれません。
知らなかったから読まなかっただけの本が、ほんの少しのきっかけで「読みたい本」になる。そんな体験ができる場所が増えていくことで、読書の楽しみがもっと自然に、暮らしの中に根づいていくような気がします。
もしちょっとでも面白そうと思った本のイベントがあれば、ぜひ足を運んでみてほしいと思います。
また、福岡県立美術館で開催された「鹿児島睦 まいにち」展のレポートも紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
