台湾で本と出会う旅。本屋をめぐって文化に触れよう

台湾を訪れたらグルメや故宮博物院などの観光も楽しいですが、本や本屋との出会いもぜひ体験してほしいことのひとつです。台湾の街を散策していると、本屋をよく見かけます。近年では台北や台中などの都市部ではデザインや建築にこだわった図書館や本屋が続々と登場していていて、本好きが楽しめるスポットが点在しています。単に本を探すだけでなくゆったりとした時間を過ごすことで、台湾の文化や人々の生活に触れられますよ。

ここでは実際に訪れて、雰囲気が良かった本屋をご紹介します(訪れたのは2019年~2024年です)。ぜひ台湾旅行の参考にしてくださいね。

この記事を読んでわかること

・台湾のおしゃれな本屋
・観光と合わせて楽しめる台湾の本屋
・日本の本屋との雰囲気の違い

この記事を書いた人

モロッコ・シェフシャウエンで撮影したサイト管理人suiのプロフィール写真

sui
フリーライター

・年間100冊以上を読む読書好き
・出版・書店関連勤務13年以上
・旅先は国内27都府県、海外20か国以上

目次

台湾を訪れるなら、本屋をめぐって文化に触れよう

出版科学研究所による日本の書店数は、2003年には20,880店舗あったのに対して2023年には10,918店舗と減少していて、出版業界の厳しい現状が続いています。台湾でも主要な書店チェーンが2020年に10店舗の大型店を閉鎖するなど、日本同様に市場は縮小傾向にあるようです。一方で、台湾を訪れると「独立系書店」と呼ばれる個人で運営されている素敵な本屋が増えているように感じています。ぜひ、観光の合間に訪れて、台湾の文化を感じてほしいです。

01. 浮光書店(台北市)

台湾にある浮光書店の内観
穏やかな雰囲気の店内でした。

台湾のおしゃれなブックカフェに行ってみたいなら浮光書店がおすすめです。浮光書店は台北市松山エリアにあるカフェ併設の本屋で、とても居心地が良かったです。

台湾にある浮光書店の外観
浮光書店は小さな通りにあり、見逃しやすいです。
台湾にある浮光書店の外観
この「浮光」という看板が目印。右にある黒いレトロなドアを開けて2階へ上がります。

MRT「雙連(双連)駅」から徒歩約4分、「中山駅」からだと徒歩約6分の場所にある小さな路地に面していました。この通りには、昔ながらの町工場がいくつか並んでいました。 浮光書店は角度のある階段を上った2階にあります。入り口を開けると明るい店内に、コーヒーのいい香りが漂っていました。店内の中央付近にカウンターがあり、ここでお会計をします。

台湾にある浮光書店の内観
中央にあるカウンターでドリンクなども注文できます。
台湾にある浮光書店の内観
店内には一人用の椅子がいくつか配されていて、本が読めるような配慮が。

本棚には文学やアート関連の本が多い印象でした。面白かったのが本の並べ方で、一般的な本屋では平積みという重ねて配置する並べ方をする場合、同じ本が重ねられますが、ここでは異なる本が重ねて置かれていました(すべてではありません)。一番上の一冊を手に取ると、違う本があらわれるのです。不意打ちを食らったような、本との出合いが驚きでした。

よしもとばななや浅田次郎などの日本の小説も置かれていました。日本の本を海外で見つけると嬉しくなります。

台湾にある浮光書店の内観
芥川龍之介や夏目漱石、よしもとばなななどの日本文学を発見しました。
台湾にある浮光書店の内観
台湾で『SLAM DUNK』を目にすることができました。

カフェスペースには若者を中心に多くの人が利用していました。スーツを着た人がパソコンに向かっていたり、仕事の打ち合わせ場所にもなっているようでした。もちろん一人で読書を楽しんでいる人もいました。私もコーヒーを飲んで一休みしていましたが、もっと居たいなと思うほど居心地が良かったです。

台湾にある浮光書店の内観
3階にあるフロアはカフェスペースに。お仕事をしている方も多く見られました。

ちなみに、書店エリアでは立ち読みやエリア内の椅子に座って本を読むのは大丈夫ですが、カフェを利用しながら購入前の本を読むのはNGでした。

置かれている本を読むことはできませんが、世界で本のある空間でリラックスできて、とてもよい体験でした。

台湾にある浮光書店の内観
おいしいコーヒーと本との至福のひと時を体験できました。

浮光書店
住所/台北市赤峰街47巷16號2樓
facebook/浮光書店

02. 中山地下書街(台北市)

中山地下書街の様子
中山地下書街の様子、雑貨などが売られているコーナーもありました。

浮光書店の最寄り駅でもあるの中山駅と雙連(双連)駅には駅を結ぶ約300mの地下通路があります。そこに中山地下書街(中山地下街書店街)という書店街があるので、こちらぜひ立ち寄ってほしいところです。 中山地下書街は台湾で最も長い書店街だそうです。

中山地下書街のある広場
中山駅を出たところにある広場です。
中山駅の様子
イベントだったのか、ハンドメイドなどのお店が並んでいました。
中山地下書街への入口
外からみるとこのように分かりやすく書街へのアクセスが表示されていました。

おしゃれな本屋街になっていて、台湾を代表する大型書店チェーンである誠品書店が大半を占めている印象でした。ジャンルごとに分かれた店舗がずらっと並んでいた印象です。マンガや小説、絵本、ビジネス書、アート関連など幅広い品揃えでした。

中山地下書街の様子
中山駅と雙連駅をつないでいる地下街。
中山地下書街の様子
誠品書店は台湾の大手書店チェーンです。

なかには雑貨などを販売している店舗もあったので、見ていて飽きませんでした。スタッフのおすすめ書籍が紹介されているコーナーもあり、日本でもこういうのあるなあとつい共通点や違いを探してしまいました。

中山地下書街の様子
スタッフのおすすめコーナーもありました。
中山地下書街の内観
&Premiumのバックナンバーがずらりと並んでいました。
中山地下書街の様子
カフェのようなスペースもあり、おしゃべりしながら休憩されている人が多かったです。

中山地下書街
住所/中山区南京西路16号B1 (MRT中山駅から雙連駅の間)
公式HP/中山地下書街

03. 好樣本事 VVG Something(台北市)

台湾・台北市にある本屋「好樣本事 VVG Something」の外観
赤い扉が目印の「好樣本事 VVG Something」。

好樣本事 VVG Somethingは台北市東区にある小さな本屋です。2012年にアメリカの情報サイトFlavorwire.comが「世界で最も美しい書店20」に選ばれたことで注目を集めました。実際に私もこのニュースで、VVG Somethingを知り訪れてみることにしました。VVGとは「very very good」の略で、本当に良いものを提案するという意味が込められているとか。

台湾・台北市にある本屋「好樣本事 VVG Something」のある裏通り
「好樣本事 VVG Something」のある裏通り。訪れた際は傘のライトアップが。

実際に訪れてみると小さなショップが立ち並ぶ路地に位置しており、赤い扉が目印とのことでしたが暗くなってから訪れたので少し迷ってしまいました。実際にお店の前に着くと、やはり赤い扉でした。

台湾・台北市にある本屋「好樣本事 VVG Something」の内観
店内はこぢんまりとしていますが、落ち着く空間でした。

なかに入ってみると、食器や文房具、雑貨と合わせて本が並んでいました。どれもおしゃれに感じ、セレクトした方のセンスが光ります。夜だったから、あまりお客さんは多くないものの、コンスタントに訪れてきていた印象です。

台湾・台北市にある本屋「好樣本事 VVG Something」の店内
本のセレクトもセンスが光ります。
台湾・台北市にある本屋「好樣本事 VVG Something」の店内
本屋ではありますが、雑貨も多く扱っていました。

Flavorwire.comでは、以下のようにこの本屋を評価していました。

Almost utilitarian but filled with simple old-world grace

「実用的でありながら、素朴で昔ながらの魅力が漂う」と評価しています(私の意訳なので違うかも知れません!)。古道具などを取り入れているからか、外の世界とは違う、ゆっくりとした時間が流れるような店内だったのでそういうことかもしれません。あまり時間がなかったため、店内をゆっくりとできなかったので、またゆっくり訪れてみたいです。

台湾・台北市にある本屋「好樣本事 VVG Something」の店内
移動の多い旅だったので購入は断念しましたが、器も素敵でした。
台湾・台北市にある本屋「好樣本事 VVG Something」の店内
販売されていたカレンダー。シンプルで使いやすそうでした。

好樣本事 VVG Something
住所/台北市忠孝東路四段181巷40弄13号
HP/好樣本事 VVG Something
Instagram/@something.vvg

04. 中央書局(台中市)

台湾・台中市にある本屋「中央書局」の外観
中央書局。ガラス張りのため、おしゃれな店内を外からでも見ることができます。

私が中央書局を訪れたのは2019年1月でした。その日の観光を終えて宿へ帰る際にたまたま見つけて立ち寄ることにしました。調べてみると1927年創業という長い歴史がある書店だそう。1998年に一度閉店したものの復活をのぞむ声が上がり、2020年11月に試験営業として運営を再開したとのことです。正式開業は2021年1月ということだったので、私が訪れたときは試験営業中でした。

中央書局は台中駅(臺中車站)から徒歩10分ほどの場所にあり、近くには観光スポットとして人気の宮原眼科や第四信用合作社があるので、観光の合間にのぞいてみることができますよ。

台湾・台中市にある本屋「中央書局」の内観
きれいに陳列されている本棚は、みているだけでもわくわくします。

ガラス張りのおしゃれな雰囲気のお店だなぁと思い、雑貨屋なのか本屋なのか分からないまま中に入りました。どちらも正解で、雑貨も本も売られていました。 入り口を入るとまずは雑貨スペース。旅行のお土産になりそうなものもあったので、お土産探しにのぞいてみるのもおすすめです。ただ、期間限定の展示かもしれないので、その都度台湾の文化に触れられる機会と思って楽しむのが良さそうです。

台湾・台中市にある本屋「中央書局」の2階
2階にはカフェスペースも併設されていました。

カフェスペースの奥と、2階が本のエリアになっていました。店内は広々としていて人とぶつかることはなく、ゆったりと本を選ぶことができます。タイトルが漢字なので本の内容がなんとなく理解できている、ような気分になりました。それに翻訳された日本の本がいくつか置かれていてうれしかったです。

台湾・台中市にある本屋「中央書局」の2階
カフェスペースでは読書をしたり、パソコンで作業する人たちの姿がありました。
台湾・台中市にある本屋「中央書局」の2階
池井戸潤さんの『半沢直樹』も!台湾でも人気があるのでしょうか。

2階に上がるとカフェスペースもあります。コーヒーを飲みながら本を読んでいる方もいらっしゃいました。 歩き疲れたときに、ここで一休みしてみてはいかがでしょうか。

中央書局
住所/台中市中區台灣大道一段23号
Instagram/@centralbookstore.1927

本屋で身近に台湾の人々の文化に触れよう

台湾でおすすめの本屋をご紹介しました。故宮博物院などの博物館でも触れられますが、より人々の文化を感じるには本屋がお手軽でおすすめです。日本との違いや共通点を探してみるのも面白いので、台湾を訪れた際は、本屋へまずは行ってみてくださいね。

この記事を書いた人

旅行ガイドブックの編集、書籍専門のECサイト運営などを経て現在はフリーライターとして活動。読書と旅が好き。年間100冊以上の本を読み、訪れたのは国内27都府県、海外20か国以上。

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